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2010年02月24日

2010.2.21 美術史スライドゼミ


メッツ絵画教室の小屋です。2010年2月21日(日)、午後Bの時間を利用して、美術史スライドゼミ「西洋美術の流れ 中世から現代まで」を開催致しました。総勢24名の会員様がご参加になり、大変盛り上がりました。まずは本日のテーマの説明からです。美術史の流れを理解すると普段の制作にも、美術館で作品を鑑賞したり美術関係の本を読むときもその充実感や理解度が違います。その話からスタート致しました。
 

まずは先史時代です。東京国立博物館で本日まで開催中の「土偶展」の女性トルソ土偶です。
 

エジプト美術・ギリシャ美術・中世美術を経て、ルネサンスの遠近法についてお話しました。マザッチォの「三位一体」です。
 

現在、東京都美術館で開催中の「ボルゲーゼ美術館展」で公開されているラファエロの「一角獣を抱く貴婦人」について解説しました。4月4日まで開催されています。
 

カラヴァッジョの「イサクの犠牲」です。そのダイナミックな空間表現にはみなさん驚かれました。
 

ドラクロワの「民衆を率いる自由の女神」です。1999年に来日しています。
 

写真の登場も重要なポイントです。写真の黎明期の作家、タルボットの撮った写真です。
 

絵画の新しい時代の幕開けのお話になります。印象派・セザンヌを経てゴーギャンの作品です。
 

日本の洋画の始まりについてもお話しました。高橋由一の「鮭」です。
 

そして、キュビズムです。ピカソの「アヴィニョンの娘たち」のコンポジションや内容の解説です。
 

いよいよ抽象絵画の幕開けです。カンディンスキーの「オリエント風」の鑑賞です。
 

幾何学的抽象のモンドリアン「ニューヨークシティ 1」です。垂直と水平の厳密な構成絵画です。
 

シュールレアリスムのダリの作品です。だまし絵の要素が使われています。
 

みなさん、長い時間にも関わらず大変集中し、熱心にメモを取りながら聞かれていました。
 

抽象表現主義のジャクソン・ポロックの作品です。ポアリングという技法で描かれた大画面の作品です。
 

抽象表現主義のバーネット・ニューマンの代表作「英雄的にて崇高なる人」です。抽象絵画における崇高性の復活についてお話いたしました。
 

そして、絵画の純粋性ではその極地と言える、モーリス・ルイスのヴェイル絵画です。2009年に川村記念美術館でルイス展が開かれました。
 

お話はポップ・アートにまで及びました。リキテンスタインの作品です。大衆文化がモチーフとなった作品の意義についてお話しました。
 

アメリカンリアリズムのアンドリュー・ワイエスの作品「松ぼっくり男爵」です。2009年、文化村 ザ・ミュージアムで公開されました。
 

お話は日本の「もの派」にまで及びました。榎倉康二の作品”Figure B-No.7″です。

みなさん、本当に熱心に聞かれて、とても勉強になったと思います。会員様の美術に対する情熱が私にもひしひしと伝わって来ました!


それでは、今回ご参加の宮元会員の感想です。
今日も素晴らしい講義を聞かせていただきありがとうございました。一回の講義なのに何日もかけて厚い本を読んだ時の読了感のようなものを感じます。「その時代で美術はどんな存在だったか?」という視点で見ていくと歴史の中の人間や世界ががとても身近に感じられる気がします。そうなると美術の「美」は愛でるものを超えた凄い存在では?なんてことを考えながらゼミを聞いてました。
今回のゼミまで私はゴシック(初期ルネサンス?)のドゥッチオとルネサンスのマザッチョを全く知りませんでしたが彼らの他の絵や時代背景や画法に興味を覚えました。これから意識して探してみます。今回のゼミの感動を伝え切れませんが充実した時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。

続きまして、丸山会員の感想です。

美術史の通史を講義して下さると聞き、改めて記憶を整理できる良い機会、ということで参加しましたが、先史時代から、リヒターなど現代を代表する作家までを3時間でここまでコンパクトに追うことができるとは驚きました。
鑑賞目的というより、むしろ呪術的目的のために制作された美術作品は、線遠近法に代表される理論に裏付けされた統一空間や、油彩ならではの細密描写によって、次第に迫真的な自然主義が実現されていきます。
そして印象派、キュビスム、フォービスムと時代を進んでいくにつれて、「何」であるかよりもむしろ、画面そのものの生命力あふれる構成が求められるようになり、更には、絵画における純粋性、すなわち「平面性」を重要視する抽象絵画が色々なかたちで現れてきて、現代アートにもつながる基盤ができあがっていく・・・。
「アート・シーン」と「歴史」は違うもので、ただ目新しいだけでなく、伝統を継承した上でそれを乗り越えた作品のみが「芸術」と成りうる、という最後に先生がおっしゃった言葉は、私たちが美術作品と向き合う上で何よりも大切なことだと思います。
よく抽象作品を見ても、「なんだか分からない」と言って、始めから拒絶してしまう姿勢を取ってしまいがちですが、ふと「これも今までの連綿として続いてきた美術の流れの上にあるんだ」と気づくことで、より深くその作品や歴史を知りたい、と思えるのではないでしょうか。
美術史に残る素晴らしい作品を生み出す芸術家は、ただ技術的に優れているだけでなく、過去の歴史を徹底的に学び、それを克服する策をなんとかして生み出す努力をしているのだと分かると、なんだか今まで以上に作品に敬意を示さなければ、と思うようになりました。
とても分かりやすく、ためになる講義を、どうもありがとうございました。
今後も色々なスライドゼミを期待しています。

続きまして、本橋会員の感想です。

小屋先生、昨日はお疲れ様でした。ナスカの地上絵からポロック、ルイスにへリングまで広範囲に亘り、沢山のスライドと興味深いお話で、実に中身の濃いゼミだったと思います。2時間半を越える講義でしたが、最後まで集中力を切らすことなく先生のお話を聞かせていただきました。後半の20世紀美術についてもなかなか聞けない内容ですごく勉強になりました。
参加できて本当に良かったです。ありがとうございました。
昔から絵を見ることは好きだったので、よく美術館に行ってはいましたが、今思うと「すごい、きれい、いい、上手い、好き…」のような感覚で見ていたような気がします。それはそれでよかったのですが、その画家が何派の誰々の影響を受けて、何主義の誰々に影響を与えたなどとの解説を読んでも、その何派や誰々たちを知らないと今ひとつピンと来なかったりして…
ところが、一昨年のゴッホのスライドゼミの後すぐにゴッホのひまわりを見に行って、知識があるのとないとでは、面白さがこんなにも違うんだなと強烈に実感することとなり、それで、これはもっと知らなきゃ!と美術史や興味のある画家について勉強したいと思うようになりました。
美術史の大まかな流れを知ることで、何派(主義)の誰々はこの人のことだったんだとわかった時は、点と点が結ばれたような感じで、絵画鑑賞が俄然面白くなりました。
それから、その時代、時代にそれまでの様式や方法、常識等をひっくり返すような新しいことに取り組んだ芸術家の努力や信念の強さとか、いろいろ想像をめぐらせたりするのも今までにはないことでした。
絵を見ることから始まって、自分でも描くようになり、今度は知るという面白さが加わり、私の絵を取り巻く生活が益々楽しく豊かなものになりました。これからも、楽しく、長く「見る、描く、知る」を続けていけたらと思います。
ゴッホやセザンヌゼミもそうでしたが、小屋先生の講義はとてもわかりやすくて、楽しく知ることができるので毎回楽しみです。また次回のゼミも楽しみにしています。ありがとうございました!

皆様、素晴らしい感想文をありがとうございました!今後も色々なスライドゼミを企画したいと思いますので、よろしくお願い致します。

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